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うちの子、もしかしたらコロナ?と思ったらすべきこと

多くの新型コロナウイルス感染症の説明を見ると以下のように書かれていることが多くあります。
“小児の新型コロナウイルス感染症の症状は、発熱、空咳が多く、鼻汁は少なく、嘔吐・下痢等の消化器症状がみられることもあります”。

このように言われても、“普通の風邪やん、何かコロナらしい症状はないの?”と言いたくなる方は多いのではないでしょうか。さらに付け加えますと、阪神の藤浪投手で有名になった“嗅覚障害、味覚障害”は小児では殆ど見られず、また海外で話題になったような川崎病の様な症状も、日本では報告されていません。つまり小児では、新型コロナウイルス感染症に特有な症状はなく、熱や下痢などの風邪症状があれば、ひょっとするとコロナかもしれないと疑うことが大事です。

新型コロナウイルス感染症を疑ったら、まずすべきことは、

  • 周囲の感染状況を確認することです。流行地に居住しているか、学校や保育園でクラスターは発生していないか、職場で感染者が発生していないか、などです。もし該当すれば要注意です。
  • お子さんの状態をよく観察してください。呼吸が苦しそう、顔色が悪い、食事をとらない、元気がなくぐったりしている等の症状があれば直ちに医療機関の受診が必要です。その際、周囲にコロナ感染症がいそうであれば、まず帰国者・接触者相談センターに電話をして下さい。どこの医療機関を受診すればいいかの指示があります。周囲に感染者がいそうになければ、かかりつけの小児科に連絡をして、直ちに受診して下さい。これらの症状は、新型コロナウイルス、RSウイルス、ロタウイルス、その他多くの病気で起こりえる重篤な病気のサインですので、緊急の医療機関受診が必要です。
  • 比較的元気はあるが、熱が持続する、咳が続く、下痢が続くなどの症状がある場合も同様で、周囲に感染者がいそうであれば、帰国者・接触者相談センターに、そうでなければかかりつけの小児科に受診しましょう。感染防止のための、オンライン診療、電話診療も推奨されます。

ゴールデンウイーク前までは、症状が軽症であれば、診断方法がない(抗原検査キットがない、PCR検査が厳しく制限されていた)こと、有効な治療法がないという理由で、自宅で様子を見てくださいというのが、一般的な対応でした。しかし、現在はまだ一部の地域だけですが、抗原検査が行われるようになり、インフルエンザ検査と同様の方法で、30分で結果が出ます。また以前に比較してPCR検査も比較的簡単に行うことができるようになりました。このような状況の変化から、新型コロナウイルス感染症を疑ったら積極的に検査を行い、感染者を早期に発見して隔離を行い、感染拡大を防ぐという方針に変わりつつあります。

皆さんも“うちの子、もしかしたらコロナ?”と疑ったら、重症度に応じて、医療機関に早急にコンタクトを取り、医師が必要と認めた場合は、積極的に抗原検査、PCR検査を受けることをお勧めします。医療機関に行くのはコロナをもらいそうで怖いとお考えの方は、オンライン診療、電話診療を利用しましょう。
一人で判断せずに、まず医療機関にコンタクトを取ることが重要です。